ブログ/prompts·2026年9月10日·2分·執筆:eroqチーム
演出ラック完全ガイド:フィルムの種類、時代、テンポ、機材、レンズ、絞り
演出ラックがフィルムの種類、時代、テンポ、カメラ機材、レンズ、絞りを動画プロンプトにどう組み込むか。各オプションが画に加えるものと、6つの組み合わせ例。
動画スタジオのプロンプト入力欄の下には、多くの人が素通りしてしまう選択肢が並んでいます。フィルムの種類、時代、テンポ、カメラ、レンズ、絞り、さらにその先にパレットとライティング。これが演出ラックです。どれも、レンダリング後にかけるフィルターではありません。選んだものはサーバー側で、監督が書くような言い回しでプロンプトに組み込まれ、エンジンはひとつにまとまった描写を読みます。このガイドでは最初の6つのラックと、各オプションが加えるものを解説します。ライティングとパレットには専用のガイドがあります。
演出ラックの効き方
クリックし始める前に、知っておきたいことが3つあります。
- カメラワークと重ねて使える。「プッシュイン」のチップも、「35mmフィルム」の選択も、「フィルム・ノワール」の種類も、すべて同じ1文に入ります。プロンプトに書いた指示(「ワイドショット」「アナモルフィック」など)も検出されるので、本文とラックは競合せず、協力し合います。
- ルックはラックで、中身はプロンプトで。ラックが「ホラー、VHSビデオカメラ」になっているなら、プロンプトには被写体と動きを書き、「怖いVHS映像」とくり返す必要はありません。2回書いても効果は2倍になりません。文が長くなり、被写体の描写が薄くなるだけです。
- 3つ選べばルック、6つ選べば拘束衣。まずフィルムの種類と時代から始め、画に質感が足りなければカメラかレンズを、ピントが肝心なら絞りを加えます。レンダリングはすべてレシピを保存し、リミックスでラックも読み込まれるので、良い組み合わせが失われることはありません。
フィルムの種類
フィルムの種類は、ショットの文法を決めます。どう切り取るか、どう動くか、どんな見た目が許されるか。
- フィルム・ノワール:硬い影、ブラインドと街灯、濡れた路面、ローキーのコントラスト。猫でさえ、何でも不穏に見せます。
- ドキュメンタリー:自然光、観察するようなフレーミング、不完全さへの寛容さ。演出の気配が消え、被写体はポーズをとっているのではなく、偶然とらえられたように見えます。
- ミュージックビデオ:大胆な色、リズミカルな動き、パフォーマンスを見せるフレーミング。エンジンは動きそのものを主役として扱います。
- CM:クリーンで明るく、コントロールされた画。商品も顔も、お金をかけたようにライティングされます。
- アート映画:長く留まるフレーム、余白、中心を外した構図、抑制。画に辛抱強さが加わります。
- ホラー:暗い光、ゆっくりした種明かし、どこかおかしい静けさ。生々しい描写を求めなくても、恐怖感が加わります。
- ロマンス:やわらかな光、あたたかな肌の色、寄りのフレーミング、穏やかな動き。
時代
時代は、フィルムストック、色の出方、そして服から車まで、画面内のあらゆるもののスタイリングを決めます。
- 1920年代:サイレント映画時代のコントラスト、ソフトフォーカス、モノクロへの傾き、時代衣装。
- 1960年代:彩度の高いフィルムのあたたかみ、すっきりした構図、モッズ風のスタイリング。
- 1980年代:ネオン、もや、マゼンタとシアン、ほのかなビデオの質感。
- 1990年代:粗い粒子、くすんだ緑、ビデオカメラの色の記憶。
- 2000年代:初期デジタルの平坦さ、寒色寄りの色かぶり、つややかなポップのスタイリング。
- 2010年代:ティール&オレンジのグレーディング、浅いピント、ドローン時代の洗練。
- 近未来:ガラスと鋼鉄、冷たく澄んだ光、人工的な色。
時代は、副作用がいちばん大きい選択です。1920年代の通りにすれば、車も看板もコートも変わります。それが狙いでないなら、現代の被写体であることをはっきり書き、時代には画の質感だけを担わせましょう。
テンポ
テンポは、クリップにどれだけの動きを入れるか、その動きをどれだけ落ち着きのないものにするかを、エンジンに伝えます。
- 穏やか:ゆっくりと、ためのある動き。被写体は時間をかけて動きます。
- 幻想的:漂い、浮かぶような動き、やわらかな移り変わり、急がない動き。
- ダイナミック:エネルギッシュで速めの動き、意図をもったカメラ。
- 緊迫:圧力の下で抑えられた動き。小さな動き、息を詰めた感じ。
- カオス:速く、不安定で、揺れる。喧嘩、群衆、衝突。
テンポとカメラワークは一致させましょう。「穏やか」に「ウィップパン」、あるいは「カオス」に「固定」を組み合わせると、自分自身と口論しているようなクリップになります。どのカメラワークがどのテンポに合うかは、カメラコントロールのページにまとめています。
カメラ、レンズ、絞り
この3つのラックは画の質感です。何で撮ったか、何を通して撮ったか、どこまでピントが合っているか。
カメラ
- 35mmフィルム:粒子、やわらかなハレーション、有機的な色。「映画っぽくしたい」ときの万能な選択です。フィルムグレインも参照してください。
- IMAX:圧倒的にクリーンなディテールとスケール感。風景、建築、大きく感じさせたいものすべてに。
- VHSビデオカメラ:にじみ、トラッキングノイズの線、やわらかな輪郭、ホームビデオの雰囲気。
- ドローン:なめらかな空撮の動き、広い眺め、高度の感覚。
- アクションカメラ:超広角、魚眼のようにゆがむ画の端、何かにくくりつけたような臨場感。
- 防犯カメラ:高い位置からの固定アングル、低解像度、監視カメラのフレーミング。
- スマートフォン:平坦で日常的、縦型になじむ画。
レンズ
- クリア&シャープ:現代的でニュートラル、クセがない。被写体だけを見せたいときの選択です。
- アナモルフィック:楕円形のハイライト、横に伸びるフレア、ワイドな映画らしさ。
- ヴィンテージ・アナモルフィック:同じ傾向で、よりやわらかく、フレアとハレーションが強め。
- ソフトポートレート:やさしい光のにじみ。顔をきれいに見せます。
- マクロ:小さな被写体、極端に浅いピント。商品、質感、昆虫に。
- 魚眼:強いたる型のゆがみ。スケート、音楽、不安感に。
絞り
- f/1.4:ピントが合うのは1つの面だけで、ほかはすべて溶ける。親密で夢のよう。
- f/4:被写体と、少しの周囲の状況。
- f/11:手前から奥までくっきり。風景や商品に。
6つの組み合わせ例
それぞれ、まずラックの設定、次にそれと組み合わせるプロンプトを載せています。プロンプトは被写体、動き、カメラ、光、ムードだけを描写し、残りはラックが担います。
ネオノワールの尾行:フィルム・ノワール · 1980年代 · 緊迫 · 35mmフィルム · アナモルフィック · f/1.4
土砂降りの雨の中、ちらつく街灯の下で刑事がタバコに火をつける。通りの向こうからゆっくりプッシュイン。真上からの硬い光が帽子のつばの輪郭を刻む。緊迫しつつも、急がない。
ラックが加えるのは、粒子、街灯の楕円形のフレア、雨にかかるマゼンタの色味、そして背景がただの色になるほど薄いピントの面です。
自然ドキュメンタリー:ドキュメンタリー · 2010年代 · 穏やか · ドローン · クリア&シャープ · f/11
砂利の州が網の目のように走る川を、トナカイの群れが渡っていく。脚のまわりで水が白く泡立つ。群れのすぐ上から谷全体へと引いていく空撮プルバック。曇り空の平坦な光。雄大で、急がない。
ラックはすべてにピントを合わせ、演出の気配を消し、近年の自然ドキュメンタリーのような、冷たく洗練されたルックへとグレーディングします。
ベッドルームポップのMV:ミュージックビデオ · 1990年代 · 幻想的 · VHSビデオカメラ · ソフトポートレート · f/1.4
オーバーサイズのセーターを着た若い女性が、寝室の鏡の前でヘアブラシをマイクにして歌う。背後で瞬くフェアリーライト。わずかに漂う手持ちカメラのクローズアップ。あたたかなランプの光とやわらかなにじみ。浮かれていて、ひそやか。音楽ビジュアルにぴったりです。
ラックは、にじみ、くすんだ緑、顔にかかるやわらかなブルーム、そして口パクを思い出のように感じさせる、ふわふわした動きを加えます。
製品のCM:CM · 近未来 · ダイナミック · IMAX · マクロ · f/4
つややかな黒い面から、細い光の柱に乗ってワイヤレスイヤホンが浮かび上がる。本体の表面を水滴が滑り落ちる。製品の高さでゆっくり回る回り込みショット。冷たく澄んだクロスライトに硬いリムライト。精密で、高級。
ラックはイヤホンを建築物のように見せます。スケール感のあるクリーンなディテール、人工的な色、そして親指より大きな物体であるかのような感覚。
ファウンドフッテージ・ホラー:ホラー · 2000年代 · カオス · アクションカメラ · 魚眼 · f/4
胸にカメラをくくりつけた男が、地下の廊下を走る。背後のどこかでドアが叩きつけられるように閉まる。一歩ごとによろめく主観ショット。光は消えかけの懐中電灯だけ。パニックで息も絶え絶え。
ラックは画の端のゆがみ、初期デジタルの平坦なルック、そして決して落ち着かない動きを加えます。ファウンドフッテージの大部分は、まさにこれでできています。
時代もののロマンス:ロマンス · 1920年代 · 穏やか · 35mmフィルム · ヴィンテージ・アナモルフィック · f/1.4
クロッシュ帽をかぶった女性が、蒸気の流れる駅のホームで待っている。手袋をはめた手には、折りたたんだ手紙。ホームの奥からゆっくりプッシュイン。駅の屋根から差すやわらかな窓明かり。希望をもって、辛抱強く。
ラックはすべてをやわらげ、色をモノクロに寄せ、蒸気にフレアを加え、ホームが溶けていくなかで彼女の顔にピントを保ちます。
フィルムモードでは、同じラックがフィルム全体のルックになるので、設定を書き直さなくても連続するシーンがそろいます。絵コンテの流れはAIフィルムメーカーのページで解説しています。ラックのパラメーターは、すべて動画APIでも使えます。
よくある質問
演出ラックにクレジットはかかりますか?
いいえ。ラックはレンダリングの前にプロンプトに組み込まれます。料金は、選んだ長さと解像度に応じたエンジンの料金で、ラックの有無は関係ありません。
プロンプトとラックが矛盾していたらどうなりますか?
どちらもエンジンに届き、エンジンはそれを平均して、どっちつかずの画にしてしまいます。ルックはラックで、中身はプロンプトで。本文に「揺れる手持ち撮影」と書きながらIMAXを選ぶのはやめましょう。
参照写真と一緒にラックを使えますか?
はい。画像から動画では、写真が被写体と構図を固定し、ラックは引き続き動き、質感、グレーディングを形づくります。だから平凡な商品写真も、35mmのアナモルフィックで撮ったお披露目のショットに変わります。
最初の組み合わせを、そのまま試してみましょう。動画スタジオで刑事のショットを開き、「フィルム・ノワール」「1980年代」「緊迫」「35mmフィルム」「アナモルフィック」「f/1.4 開放」を設定します。
この記事で使ったモデルで作ってみましょう。無料の50クレジットで始めるか、全エンジンと料金をご覧ください。