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ブログ/use-cases·2026年9月6日·2分·執筆:eroqチーム

ゲームのセリフにAIボイスを:バーク、メニュー、仮ボイス

キャラクターごとに1つの声を割り当て、スプレッドシートから1,000行のセリフを一括生成し、始める前にコストを把握する方法。リップシンク非対応という正直な限界も。


キャラクターが無言のビルドは、アートがどれほど良くてもプロトタイプに見えてしまいます。30個のバーク(短い掛け声やリアクションのセリフ)とボイス付きのメニューがあれば、その印象は午後のうちに変わります。だからこそ仮ボイス(プレースホルダーVO)は、インディーチームが最後に収録するものではなく、最初に生成するものの1つに、いつの間にかなったのです。

何よりも先に、スコープを決める限界をお伝えします。リップシンクはありません。しゃべるアバターも、ビゼーム(口の形)のトラックも、リアルタイム合成もありません。音声モデルから返ってくるのはMP3ファイルです。以下はすべてそれを前提に設計されていますし、実際のところ、ゲームのセリフのほとんどは、もともと画面上の口を必要としていなかったのです。

ビルドで生成ボイスが本当に役立つ場面

  • バーク。 戦闘中のコールアウト、待機中の雑談、敵が気づいたときのセリフ、被弾リアクション、店主のあいさつ。短く、数が多く、画面外か、誰も口元を読まないほど遠くで発せられるものです。
  • メニューとシステム。 チュートリアルの案内、アクセシビリティ向けの読み上げ、「セーブしました」、確認のセリフ。
  • 無線と通信。 最も相性の良い用途です。ヘッドセットの向こうの声には、そもそも顔がありません。
  • ナレーターとコーデックス。 世界観の解説、ステージのイントロ、ゲームオーバー画面。
  • バーティカルスライス用の仮ボイス。 キャスティングの予算がつく前にテンポを判断できるよう、バーティカルスライスに仮のセリフを入れます。

向いていないのは、キャラクターがカメラの前で話すシネマティックです。口元を映さないようにカットするか、リアクションショットにセリフをかぶせるか、そのシーンは本番の収録に回しましょう。

キャラクターごとに一度だけ、ずっと同じ声を

後々の苦労を最も減らしてくれるルールは、地味なものです。1キャラクターに1つの声を、プロジェクトが続く限りずっと。

スタジオのキャラクターは、名前、ペルソナ、そして声を持ちます。声はプリセットボイス(温かく親密なAria、低くゆったりしたOrion)か、自分でクローンしたものです。一度割り当てれば、そのキャラクターでレンダリングするすべてのセリフにその声が使われます。APIでは同じものがボイスID char:<id> として扱われるので、書き出しスクリプトが、どのクローンが補給係のものだったかを覚えておく必要はありません。

プリセットボイスが2つだけでは、配役として物足りなく思えるかもしれません。しかし、速度と表現力はセリフごとに個別に調整でき、そもそもキャラクター性の大部分は脚本が担っていることを思い出してください。事務的でそっけない補給係と、饒舌な宿屋の主人は、同じ声質を共有していても別人として聞こえます。どうしても無理な場合は、追加の声をクローンしましょう。クローンは無料で、課金されるのは音声だけです。

1,000行のセリフを一括生成する

セリフはツールの中ではなく、ファイルで管理しましょう。line_idとtextの2列からなるTSVがパイプラインのすべてです。次のスプリントでライターが11行を変更したときには、そのまま差分にもなります。

eroq CLIは1回の呼び出しで1行をレンダリングし、指定した場所にMP3を書き出します。そのため、一括処理はわずか4行のシェルループで済みます。

while IFS=$'\t' read -r id text; do
  eroq speech "$text" -v orion -m eroq-voice-turbo -o "vo/quartermaster/$id.mp3"
done < barks.tsv

実用上の注意が3つあります。まず、1リクエストあたりの入力は5,000文字までです。バークがこれに近づくことはありませんが、コーデックスの項目なら届くかもしれません。次に、音声のレート制限は無料ワークスペースでキーごとに1分あたり6リクエストで、プランに応じて倍率がかかります(Creatorは2×、Studioは4×)。そのため1,000行の処理には、無料のキーで3時間弱、Studioのキーなら約40分かかります。そして、すべてのレンダリングは自動的にライブラリに保存されるので、ローカルのファイルを失っても少し面倒なだけで、レンダリングし直す必要はありません。

ツールチェーンがMP3ではなくWAVを必要とする場合は、取り込み時に変換しましょう。

ffmpeg -i vo/quartermaster/bark_01.mp3 -ar 48000 -ac 1 vo/quartermaster/bark_01.wav

1,000行のコスト

音声は、入力100文字のブロックを開始するごとに課金されます。Voice Oneでは3クレジット、Voice Turboでは2クレジットです。ゲームのセリフのコストモデルは、この「開始する」という一語に尽きます。バークは短く、どれも1ブロック分に切り上げられるからです。

つまり、請求額は文字数ではなく、セリフの行数に連動します。

  • バーク1,000個(平均45文字)で1,000ブロック。Voice Oneなら3,000クレジット、Turboなら2,000クレジットです。 エントリーパックの単価で換算すると、それぞれ約$30と$20です。
  • メニューとシステムのセリフ60行:Voice Oneなら180クレジット、Turboなら120クレジット。
  • コーデックスの項目40件(各480文字):1件あたり5ブロックなので、Voice Oneなら600クレジット。

ここから、実際に行動に移すべき2つの帰結が導かれます。1つ目は、Turboで試行錯誤し、Voice Oneで出荷することです。まだ脚本を調整している段階なら、同じ1,000個のバークをレンダリングし直すコストが3分の1安くなります。2つ目は、切り上げを避けるために短いセリフを1つのリクエストにまとめたくなる誘惑に負けないことです。返ってくるMP3は1つだけで、それを手作業で分割する手間は、節約したクレジットよりも高くつきます。

失敗した生成は自動的に返金されるので、ネットワークの調子が悪い夜にバッチが途中で止まっても、無音に対して支払うことにはなりません。

パッチをまたいでボイスを安定させる

barks.tsvを信頼できる唯一の情報源とし、音声フォルダはビルドの出力物として扱いましょう。ライターが11行を編集したら、11個のファイルをレンダリングし直すだけです。IDもパスも変わらず、プロジェクトのほかの部分は何も動きません。キャラクターごとの声、速度、表現力は、同じファイルか、その隣に置いた小さなJSONに記録しておきましょう。そうすれば半年後にレンダリングし直しても、新しい解釈ではなく同じ演技が得られます。

声より手前のキャラクター制作(ペルソナ、参考アート、キャストの一貫性の維持)については、ビジュアル面をゲームスタジオ向けコンセプトアートのパイプラインで、読み上げではなく演技に聞こえるセリフの書き方をAIキャラクターのためのTTSで解説しています。

よくある質問

eroqで生成したセリフをキャラクターモデルにリップシンクできますか?

いいえ。リップシンク、ビゼーム出力、しゃべるアバターの機能はありません。音声モデルが返すのはMP3だけです。セリフはバーク、通信のやりとり、ナレーション、画面外のセリフとして設計し、カメラの前で話す場面は収録したボイスに任せましょう。

バーク1,000個のコストはいくらですか?

課金は開始された100文字ブロック単位なので、短いバークはどれだけ短くても1ブロック分です。バーク1,000個なら、Voice Oneで3,000クレジット、Voice Turboで2,000クレジット。エントリーパックの単価で換算すると、レンダリングし直す前の時点でそれぞれ約$30と$20です。

生成したボイスを商用ゲームに使えますか?

利用規約のもとで生成物はあなたのものになり、プランには商用ライセンスが含まれています。残る制約は、コンテンツのルール(フィクションに限ること、未成年者が関わるものは一切不可、同意のない実在の特定可能な人物は不可、違法なものは不可)と、クローンした声には本人の許可が必要なことです。出荷する前に、各プランに何が含まれるかを料金ページで確認してください。

すべてのセリフを1回のリクエストで生成する方法はありますか?

ありません。それに、そうしたいとも思わないはずです。各リクエストはMP3を1つ返すので、1行につき1リクエストにすることで、IDの安定した行ごとのファイルが得られます。セリフのファイルをシェルループで回して一括処理し、ペース配分はレート制限に任せましょう。

ビルドがしゃべるのを聞く準備はできましたか?ボイススタジオを開いて、まずは1人のキャラクターにきちんと声を割り当て、残りはループに任せましょう。

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